2012年1月14日土曜日

フェルメールからのラブレター展

ふと、ぼーっと絵を眺めたい気分になり、今日は「フェルメールからのラブレター展」を観てきました。

やっぱり絵は良いですね。

今回気に入った作品のベスト3と、感想を綴りたいと思います。

ヨハネス・フェルメール <手紙を読む青衣の女>

17世紀のオランダの男は、船上で生活する人が多かったそうです。手紙を受け取るということは、メッセージは勿論ですが、残された女性にとって安否を確認する唯一の術となっていました。さらに、船上で手紙を出し、届くまでは約2年(!)を要したそうです。

このような説明文を読んだ後に作品を眺めると、初めに飛び込むウルトラマリンブルーの美しい発色(こちらは最近修復された)の次に、前述した背景を踏まえて観る女性の表情に吸い込まれます。

約2年も経ってようやく伝わる気持ち。それを読む女性…。思わず、身震いがしました。圧倒的な存在感、見応えがあります。

エドワールト・コリエル <レター・ラック>

今回の展覧会では人物を描いたものが多かったのですが、こちらは作品名のとおり、当時の手紙に関する物が描かれていました。絵を通じて、当時の生活に思いを巡らせることが出来る、絵の魅力が伝わってきました。

ヤン・デ・ブライ <アブラハム・カストレインとその妻マルハレータ・ファン・バンケン>

肖像画は個人的にそこまで好きではないのですが、これは印象に残りました。惹かれた点は、人物の背景に写っている地図です。地図ではアラビア海が描かれているそうです。(そこまで見えませんが…)
その地図が意味するものは、描かれている人物の広い視野であったり、見識を示しています。
細部までフォーカスして初めて見える世界、素敵です。


絵が素晴らしいと感じるのは、何百年経った今も、現代の人が観て感じることが出来ることだと思います。

昔の書物や言い伝えにより、当時のことを感じたりすることも出来ますが、絵は今でも直接訴えてきます。

モノを見る目は、人を見る目です。良いモノをこれからもどんどん見ていきたいと思います。


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フェルメールの作品は、いつ観ても光が差し込んだ部屋や照らされる人物の色合いの表現が素晴らしいです。3月14日までやっていますので、興味のある方は是非。

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